歯と口の7つの役割|『口福』であることが『幸福』の条件!
歯が抜けたまま放置しておいて、急に人前で話をすることになってしまった。
「あーー、ちゃんと歯を入れておくんだった・・・」
歯が抜けたまでではなくても、自分の口元が気になって対面して堂々と話すことができなかったり、口元をかくしてしまう経験をした人は多いと思います。
自分の口元に自信が持てずに、口を開くこと、ひいては人と会うことを避けるようになると生きることそのものの活力が失われてしまうことにもなりかねません。
また、口元は見た目の問題だけではなく、他にもいろいろな役割を担っています。
今日は、「歯と口の役割」を7つのポイントに分けて書いてみました。
歯と口の7つの役割
1)食べること
歯の1本1本にもそれぞれの役割があります。切る・噛み砕く・すりつぶすなどの工程を経て、正常に消化されます。胃腸での栄養摂取が効果的に行われる前段階として大切な役割を担っています。また食事は、緒に食べる人や状況、味わう喜び・生きる意欲へつながり、人生を豊かにするものとなります。
2)話すこと
言葉を発音するには、声帯を吐く息で震わせながら音を作り、口と舌を動かすことで言葉にしています。歯が1本ないだけで舌圧と口の中の空間の絶妙なバランスが崩れ、きれいな発音が難しくなりますし、相手も聞きづらくなりコミュニケーションに影響が出ることがあります。
3)脳の活性化
口の中は脳に近いので口の中の変化を敏感に感じ取り脳に刺激がいきます。
口の中に入ったものを噛むと、歯の歯根膜が硬さや形などの情報を感じ取り脳へと伝達されます。
また、噛む行為は顎を動かす行為なので、頭部への血流を促し、脳が活性化します。
4)唾液の分泌
唾液は魔法の水とも言われ、体の健康状態維持に大きく関係しています。
食べ物と唾液を混ぜ合わせて消化を助けたり、口腔粘膜を保護したり、飲み込みやすくしたりするなど他にも様々な働きをしています。
また、抗菌作用により口腔内の微生物をコントロールする働きもあります。口の中が乾燥すると口腔内の菌バランスが崩れて、悪玉菌が猛威を振るうようになります。
お口の乾燥は、免疫力が低下しているサインですので、口の中が潤っているか乾燥しているか日頃から意識してみましょう。食事の前や、歯磨きの後には唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)のマッサージがおすすめです。
5)体の重心バランスを保つ
きちんと虫歯や歯周病を治療し、歯を抜いたままにせずにブリッジや入れ歯を入れて噛み合わせを安定させておくことは、体の重心バランスを良好に保ちます。
奥歯が1本無いだけで、体の重心バランスが崩れます。
首から下の体の重心バランスは、主に脊柱起立筋や腸腰筋などの抗重力筋が大活躍します。首から上は、噛み合わせに必要な咀嚼(閉口)筋と開口筋、頭頸部筋とのバランスを良好に保つことで体全体の重心バランスを良好に保ちます。
歯が1本でも無くなると、噛み合わせが不安定になり、顎がわずかにズレます。
そのずれで咀嚼筋、開口筋、頭頸部筋のバランスが崩れ、平衡感覚が鈍ったり、体全体の重心バランスが崩れるのです
噛み合わせが良い状態は、顔の筋肉のバランスが整っている状態です。
逆に、噛み合わせが悪いあるいは歯が抜けたままになっているところがあったりすると、顔の筋肉バランスが崩れている状態です。筋肉は全身つながっていますので、身体中の筋肉バランスが不安定となり、首痛や肩こり・腰痛、さらに対処しないでいるとまっすぐ歩けないなど全身の不調を引き起こしてしまうこともあります。
6)ストレス発散効果がある
食べる、しゃべる、歌う、笑うなどの口を使う行為は、ストレスを発散させます。自律神経のバランスが整えられて、精神の安定にもつながります。
7)表情をつくる
歯が1本なくなるだけで、顔のイメージが変わってしまいます。見た目は第一印象を大きく左右しますので、口元を美しく保つことは豊かな人間関係を構築するのに重要なポイントの一つです。
以上、7つの役割をあげてみました。
きちんとした噛み合わせの入れ歯や被せ物を入れることによって、失った歯を取り戻し、唇の形も整うので美しいスマイルラインも回復しますし、口元の美しさと同時に人と出会う楽しさも取り戻せるのではないでしょうか!
今は、技術も材料もより良いものを提供できるようになってきましたので、歯科医師と十分に相談した上で、自分に一番合った歯を作ることが重要です。