銀歯をかぶせただけなのに
こんにちは!
みなさんは自分のお口の中をじっくりと観察したことがありますか?
桜川歯科医院では、多くの病気は口の中が原因であることを職員共に勉強し、来院される患者様にお伝えしています。
今日はその中の一つ、歯科治療の被せ物や詰め物をする際に、アレルギーを起こしやすい金属を使用した場合、口の中や全身に及ぼす影響についてお話しします。(手作り新聞 ひよこめーる7月号より)
アレルギーをおこしやすい金属
一般的に被せ物をつくる際(保険適用)に使われる金属には、硬さを増すために主にパラジウムが使われます。
パラジウム・ニッケル・コバルト・クロム・アマルガム・スズは金属アレルギーを起こしやすい金属として注意が必要です。
また実際にそれらの金属が原因で、金属アレルギーが引き起こされている症例が多々報告されています。
金属アレルギーは遅延性アレルギーといい、すぐに症状が出ないので危機感を持ちにくいものです。
気が付かない間に、口の中で金属が溶け出し、唾液・血液を通じ、全身に回っていきます。発疹などの症状がでても、お口の中の金属が原因であることに気が付かず、解決できずに悩まれる方も少なくありません。
接触皮膚炎と全身性皮膚炎
金属アレルギーの症状には大きく分類すると2種類あります。
- 接触皮膚炎
一つは、金属が直接皮膚に接触している部分が赤くなったりかゆくなったりする接触皮膚炎で、アクセサリーなどをつけたときにそのような症状が出るという方は、金属アレルギーの可能性大です。
- 全身性皮膚炎
金属アレルギーもう一つは、全身性の金属アレルギーで、銀歯などのアレルゲンが食事の際や歯磨きの際に唾液の中に溶け出し飲み混んでしまうケースや、口の中の粘膜から吸収され血液を通じて全身に回ってしまうケースです。
食べ物を食べる時、ひと噛みごとに歯根膜に圧力がかかり、ひと噛みで約3.5mlの血液がピュッと脳に送り込まれます。(→お弁当の魚の形の醤油入れ1個分の量をイメージするとわかりやすい)
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などのように手足に水ぶくれや膿がでるなどの症状が出ます。
症状がでていても体質だろうと思い込んでいる方も少なくないと聞きます。自己診断をしないで症状に心当たりがある方は、早めに皮膚科へ行って調べてもらいましょう。
金属の影響は皮膚だけではないのです
お口の中で溶け出した金属は、全身に回り、肝臓・腎臓で、体に溜まった有害物質を排出させようと解毒し、その際に活性酸素(細胞を酸化し錆びさせる)を出します。
ところが、有害物質が多く、活性酸素がですぎると、正常な細胞・遺伝子までも酸化してしまい、炎症を引き起こします。全身で解毒がうまくできなくなると、他の臓器にも負担がかかり、体調不良を感じるようになります。
活性酸素は、悪性新生物(がん)の元としても知られています。私たちの体は約60兆個の細胞から構成されていますが、その細胞一つ一つにDNAにより遺伝情報が納められています。
活性酸素により細胞や遺伝子を攻撃されると、遺伝情報に狂いが生じ本来の細胞と異なった細胞が生まれます。それが、悪性新生物(がん遺伝子)です。
〜お口の中で金属がもたらす影響〜
扁平苔癬(へんぺいたいせん)
頬の内側の粘膜や歯肉にレースに似た白とその周囲に赤のプチプチが現れます。また、ヒリヒリした痛みが現れることもあります。扁平苔癬は、扁平上皮がんの原因にもなります。ただ、口の中の粘膜は、体の中で唯一セルフチェックができる場所です。鏡を見て、すみずみまでチェックしてみましょう。特に、銀歯が頬の当たっているところなどは入念なチェックが必要です。
舌痛症
近年、舌が痛いと来院される方が多いです。ストレスや栄養上の問題、その他の病気との関連など原因は様々あります。
歯科治療で使われる金属により、ガルバニー電流(アルミホイルをかじったときのビリっとする感じに似ている)が発生し、舌痛症の原因にもなります。
また、味覚異常の原因にもなります。
お口の中の金属が脳に与える影響は?!
毎日大量の血液が脳に送り込まれています。当然のことながら、血液に溶け出した金属も一緒に流れ込んでいます。
お口の中でガルバニー電流を発生させるたびに、脳の中では、神経の伝達が途切れてしまいます。その状態が年々度重なると、うつ病・認知症・自律神経失調症・パーキンソン病などの病気にかかりやすくなります。
銀歯をかぶせただけなのに・・・
一度金属アレルギーを発症してしまった後ではどうすることもできません。
ピアス・ネックレス・腕時計などオシャレをしたい時までも制限されてしまいますし、食べ物にも気をつけなければいけなくなります。
アレルギーをおこしやすい金属のニッケル、クロム、コバルトなどはチョコレート、ココア、豆類、香辛料、貝類、胚芽などに多く含まれているとされています。
歯科治療による金属アレルギーの発症については、予測も予防も可能です。鏡で口の中を見た時に、銀歯や黒い金属が見えたら早めに作り変えてもらったり、
歯科治療で被せ物をつくる際には、どの材料を使用して歯をつくるのかなどきちんと話し合った上で歯を入れましょう。