最新の予防医学 バクテリアセラピー|青森

みなさんこんにちは。

今日は話題の“バクテリアセラピー”についてです。

バクテリアセラピーは桜川歯科医院でも昨年から取り入れていて、患者さまにも職員のみんなにも大好評。みなさん大人買いされていかれます!

とはいっても、“バクテリアセラピー”という言葉を初めて聞いたーという方も少なくないと思います。

バクテリアセラピーとは、善玉菌(プロバイオティクス)によって、体内に存在する悪玉菌と善玉菌のバランスをコントロールする世界最先端の予防医療技術です。

私たちの体は菌だらけ

私たちの体(口・鼻・胃・大腸・皮膚・膣)には、たくさんの細菌が住み着いています。そして、その数なんと500〜1000種類の細菌が500兆〜1000兆個ともいわれています。

体内菌は3種類に分類され、善玉菌・悪玉菌・日和見菌が存在しています。

それぞれの理想的な割合は全体を10とすると、

善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7 

で、高い割合を占めている日和見菌は善玉菌・悪玉菌の優勢な菌の味方となって固有のグループを形成しています。

このグループを細菌叢といい、顕微鏡で覗くとまるでお花畑のように見えることからフローラと呼ばれています。

ほぼ無菌状態の胎児だった私たちは、生まれてくるときに母親から細菌をもらい、生活環境の中で生活していく中でたくさんの細菌を増やしていくわけですが、体内菌の種類や割合は、一人一人異なり、全く同じフローラを持つ人はいないといわれています。

体内菌のバランスが崩れると、免疫力が低下して歯周病やアレルギーなどを引き起こすなど体の不調や健康被害が現れることが報告されています。

口はカラダの入り口、腸は栄養素の入り口

最も菌が多く集中している場所は、口腔内と腸です。

カラダの入り口である口の中には、耳かき一杯分の中に数百万〜数億個の微生物が数百種類も棲んでいます。この微生物たちは棲息場所や栄養素の奪い合いなど、24時間365日戦いが繰り広げられています。

口内フローラのバランスは、

善玉菌9割:悪玉菌1割

が理想で、とくに雑菌がたくさん繁殖しやすい口の中は、より多くの善玉菌がいることによって口腔衛生が保たれます。

菌バランスが崩れると、歯周病菌などの悪玉菌が勢力を増し、歯周病・虫歯・口臭などのトラブルが発生します。また、口内フローラが崩れると、腸内フローラにも大きく影響してきます。

歯周病菌は、全身をまわり各臓器のいたるところで炎症を引き起こします。

腸について

腸は、全身の健康状態を維持していくためにとても重要な働きをしている臓器です。

まず、小腸の役割の一つ目は“吸収”

胃の中で消化されてドロドロに分解された食べ物は小腸に運ばれると、腸壁からほぼ全ての栄養素が吸収され、それぞれ必要な器官へと送られます。

私たちの体は、食べたもので作られています。当然、腸内で正常な吸収ができなければ栄養不足となり健康な細胞が作られなくなります。

小腸の役割の二つ目は“免疫”

小腸には、カラダの免疫システムの70%が集中しています。口から肛門まで1本の管となって繋がっている消化器官は、厳密に言えば体外であると考えることもできます。食べ物のほかにも、病原菌やウイルスなどが入ってきやすい臓器であるからこそ、たくさんの免疫細胞が集結しているのです。

小腸の三つ目の役割は“セロトニンをつくる”

私たちが安らぎや喜びを感じる時に、脳の中で働いているのは、セロトニンやドーパミンという神経伝達物質で別名幸せホルモンとも呼ばれています。

セロトニンの95%は小腸でつくられ、残りの5%は脳内や血液にあります。小腸と脳のセロトニンの役割は少し違いますが、セロトニン量が幸せを左右し、精神状態にも大きく影響しています。

腸は第二の脳/腸が笑えば健康に一歩前進。

腸内フローラのバランスは、自律神経のコントロールとも関連してます。

自律神経が乱れ、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えがうまくいかなくなると心拍、血圧、体温、ホルモンのリズムが崩れてしまいます。

このように体内のリズムを体内時計ともいいますが、腸内フローラの乱れは、体内時計が狂い、睡眠ホルモン“メラトニン”の分泌を妨げ、睡眠の質と生活習慣、精神状態に影響します。

腸には神経がくまなく張り巡らされていて、脳がストレスを感じると腸に伝達され腸の働きを乱してしまうなど、脳と腸は密接に情報伝達をしています。

一方で、脳からの指令がなくても動くことができるようにもなっています。

生命が誕生した40億年前、最初は脳はなく、腸だけの生物であったと言われています。現在でも、イソギンチャク・クラゲといった腔腸動物は脳を持ちませんが、腸が脳の役割を果たしているから生きられているのだと思います。

ヒトも受精後は腸が最初にでき、腸から神経が発達し脳ができます。

腸が喜ぶものを体に入れ、腸が喜ぶ行為を選ぶことが、健康への近道です。要するに私たちが、幸福になるには「腸」を幸福にすることが一番ということかもですね!